「今森光彦写真展」,「青春のロシア・アヴァンギャルド シャガールからマレーヴィチまで」
2008-08-30


まずは「今森光彦写真展 昆虫4億年の旅」。
東京都写真美術館で8月17日まで開催しておりました。
電車に乗っていたら車内広告で宣伝していたのですね。
その広告の写真がなんと,キサントパン・プレディクタがアング
レーカムの蜜を吸っているところ。
と書くとややこしいですが,なにしろスズメガの一種がランの一
種の蜜を吸っている写真なのです。
アングレーカムというランはマダガスカル島に生えているのです
が,やたらと長い蜜溜まりが花の下にぶら下がっておりまして,
これを見たダーウィンが,「島にはきっと長い口を持つ昆虫がい
るに違いない」と予言し,その41年後にまさにその通りのスズメ
ガが発見されました。
この昆虫と花の話をだいぶ前に知り,面白いもんだと思ってお
りましたが,いきなり電車の中でそのスズメガがハチドリのように
ホバリングして長い口を伸ばして蜜を吸っている写真を見せつけ
られ,「!」。
これは大きな写真で見たい。
きっと他の虫の写真も素晴らしいに違いない。
てことで見てきました。この写真美術館は初めて入りました。
恵比寿のガーデンプレイスの奥にありまして。
帰りがけビールというのもいいですね。
で,なにしろ写真は素晴らしかった。
そのスズメガの写真も勿論ありまして,花はちょっと違うランで
あるかもしれない。説明には「彗星ラン」とあります。「アングラエ
クム・セスキペダレ」という学名が付いているそうで。
「アングラエクム」を英語読みすると「アングレーカム」にはなり
そうな気もしますが。
まあ同じか,或いは近種のランではあるのでしょう。
アングレーカムは緑色の細長い蜜溜まりがぶら下がっているの
ですが,今森さんの写真のランにはそれが無い。
会場の外,つまりは無料で入れるスペースには,このスズメガ
の標本も展示してありました。
蝶の口はゼンマイのように巻いておりますね。
このスズメガも生きている時はくるくる巻いている。
しかしそれがあまり長いもので,えらいボリュームになる。
標本では口を伸ばしてありました。
凄く長い。
初めて実物を見させてもらって,ちょっと感動しましたね。
私は正直なところ,そんなに虫は得意じゃないのです。
しかし面白い。
今森さんの腕も素晴らしいですが,気の遠くなるような地道な
フィールドワークがあってこその仕事ですね。
感服しました。
女性客も多かったですね。
他の虫の写真も美しかった。
大満足で会場を後にする。

その足で渋谷へ。
次はBunkamuraザ・ミュージアム。
「青春のロシア・アヴァンギャルド シャガールからマレーヴィチ
まで」。
シャガールと言われては見に行かない訳にはいかないので。
シャガールは3枚ありましたね。
かなり初期の作品で。
シャガールはシャガールで良かったのですが,この展覧会は,
言ってみればロシアの近代芸術概説みたいなもので,なかなか
面白かったですね。
1917年がロシア革命ですわ。
この辺の時代は芸術の世界も大変革の時代で熱いですからね。
ロシアでもどんどんぶっ飛んだ作品が生み出され,ロシア・アヴ
ァンギャルドの大きな潮流が起きたと。
しかしソヴィエトはそういうものは認めんと。
多くの芸術家が国外に亡命したりした時代であります。
とにかく熱いですわ。
まさに「青春」ですね。
ソヴィエトは勿体無いことをしたね。
まあ当時のソヴィエトは勿体無いどころの騒ぎではないことを
したのかもしれませんが。
1932年に党中央委員会決議で全ての文化団体が解散。
1934年には,第1回全ソ連邦作家大会で社会主義リアリズム
が公式の形式とされたそうです。
「公式の形式」ってねえ。訳がわかりませんが,当時のソ連では
大真面目にこんなことを言っていたのですね。

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